最近、見かけなくなった
2ヶ月ほど前、氷屋のクロが他界した(と思う)。
それまで朝散歩すると、いつも氷屋の前の道路に寝そべっていた。前方不注意な車に轢かれるんじゃないかというほど道にせり出して。
そして、側を通るたびに毎回吠えられた。
氷屋がすでに歩行者道路を店の仕事のために占拠しているので、クロの前を通るか、道路の向こう側脇を通るしか方法はない。
完全な通行妨害だ。
しかし、1ヶ月2ヶ月と経つうちにクロは老衰し、最後は寝そべって顔もあげなければ吠えもしなくなっていた。多分、もうすぐ死んじゃうんだろうなと思ったらそうなった。ある日忽然といなくなった。
死んだ当初は気抜けした。
いつも緊張感を持って通り抜けていた氷屋前があまりに平和然としているからだ。
張り合いがなくなったとも言える。
身近な生き物がいなくなるとはこういうことなのだ。
このホアヒンにきて8ヶ月経つ。
そういえば、ナイトマーケット近くで、家族で惣菜屋を営む店がある。
朝、ナイトマーケット近くに買い出しに行くと、その店のおばあちゃんが、惣菜を作っていた。
あのおばあちゃんもこの1ヶ月ぐらい姿を見ない。
一緒に仕事を切り盛りしていた若夫婦も見ない。理由はワカラナイ。
代わって、どうも若夫婦の兄弟だろうと思われる人たちが切り盛りしている。
多分あのおばあちゃんも逝っちゃったじゃないかと想像している。
人生は長いようで短い。
思い残すことのないように残る日々を生きたいものだ。
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